転生先は悪妻~旦那様はお呼びじゃないの~
「今更何よ! もうすぐ生まれるのに、ここから追い出すの!?」
「いいえ。そのつもりはありません。ただ、色々と手続きを終えたので、その報告と今後の身の振り方をお教えに来たんです」
「つまり、すぐには追い出されないの?」
「子供が生まれ、動けるようになるまでは」
その言葉に、ベリンダが安堵するのが分かった。私と同じく、別棟から出ていなかったのだろう。未だに悪妻だと思われているようだった。
「だが、許可できるのは、そこまでだ。子供を連れて出て行ってもらう。勿論、兄上も一緒に」
「お前にそんな権限は――……」
「あるよ、ここに。兄上が登城していない間に、評判はガタ落ち。それを憂いた父上と母上が国王陛下に頼んで、俺に爵位を譲るように仰ったんだ」
その証拠、と言わんばかりに、オリヴァーは旦那様の目の前に証書を突き出す。
「いいえ。そのつもりはありません。ただ、色々と手続きを終えたので、その報告と今後の身の振り方をお教えに来たんです」
「つまり、すぐには追い出されないの?」
「子供が生まれ、動けるようになるまでは」
その言葉に、ベリンダが安堵するのが分かった。私と同じく、別棟から出ていなかったのだろう。未だに悪妻だと思われているようだった。
「だが、許可できるのは、そこまでだ。子供を連れて出て行ってもらう。勿論、兄上も一緒に」
「お前にそんな権限は――……」
「あるよ、ここに。兄上が登城していない間に、評判はガタ落ち。それを憂いた父上と母上が国王陛下に頼んで、俺に爵位を譲るように仰ったんだ」
その証拠、と言わんばかりに、オリヴァーは旦那様の目の前に証書を突き出す。