転生先は悪妻~旦那様はお呼びじゃないの~
「ありがとう。詳細は旦那様が話してくれると思うわ。その愛人さんのことについてもね。もうそういうことになっているから」
「心得ました。今後のこともあるので、旦那様のところへ行ってもよろしいでしょうか」
「えぇ。構わないわ。それから、本当にありがとう。助かったわ」
「いえ、執事として当然のことをしたまでのこと」

 ロルフはそういうと、一礼をして立ち去ろうとした。

 うん。やっぱり執事で合っていた。これが間違っていたら、大変なことになっていたわ。

 ふぅ~と一つ息を吐いたところで、肝心なことを忘れていた。

「あっ、待って。コリーの代わりを用意してもらわないと困るわ」

 そう、私はまだ自分の部屋の場所を知らないのだ。
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