人形にされた伯爵令嬢~婚約破棄された落ちこぼれ魔術師は時を越えて幸せを掴む~
私はゆっくりと体を上げた。途端、後ろから抱き締められた。
「ゆ、ユベールっ!」
どうしたの? と聞くよりも早く顎を取られ、横を向いたまま、ユベールの顔が近づいてきて……。
「んっ……」
「どう? 目が覚めた?」
唇が離れた瞬間、さも何でもないように話しかけられた。私はというと、何が起こったのか、瞬時に判断できずに呆然となってしまった。
「リゼット? まだダメなら、もう一回――……」
「だ、大丈夫! それに目なら覚めているからっ!」
私は必死にユベールから離れようと、もがいた。
「ごめん! 怒った? お祖父様の前でキスしたから」
「~~~っ!」
「でも、俯いたまま動かなくなっていたから……僕……」
「違うの! そうじゃなくて……初めてだったから……ビックリして……」
しかも突然、後ろからなんて……!
「初めて?」
「うん」
「リゼットはお祖父様の婚約者だったのに?」
「……幼なじみみたいなものだったから」
「それでも好きなら……」
お願い。それ以上、言わないで。私が情けなくなるから……。
「ゆ、ユベールっ!」
どうしたの? と聞くよりも早く顎を取られ、横を向いたまま、ユベールの顔が近づいてきて……。
「んっ……」
「どう? 目が覚めた?」
唇が離れた瞬間、さも何でもないように話しかけられた。私はというと、何が起こったのか、瞬時に判断できずに呆然となってしまった。
「リゼット? まだダメなら、もう一回――……」
「だ、大丈夫! それに目なら覚めているからっ!」
私は必死にユベールから離れようと、もがいた。
「ごめん! 怒った? お祖父様の前でキスしたから」
「~~~っ!」
「でも、俯いたまま動かなくなっていたから……僕……」
「違うの! そうじゃなくて……初めてだったから……ビックリして……」
しかも突然、後ろからなんて……!
「初めて?」
「うん」
「リゼットはお祖父様の婚約者だったのに?」
「……幼なじみみたいなものだったから」
「それでも好きなら……」
お願い。それ以上、言わないで。私が情けなくなるから……。