人形にされた伯爵令嬢~婚約破棄された落ちこぼれ魔術師は時を越えて幸せを掴む~
「……魔法」
この姿でも使えるのかな。
唯一、誰にも負けないと自負できるものが、魔力量だった。こんな小さな体になっても、たとえ本来の魔力量が少なくなっても、他の人よりかはあるはずだ。
私は自分の両手を見た。まるで紅葉のような、小さな手。そこに向けて意識を集中させた。魔力を水のようにイメージして、手のひらに注ぎ込む。
私は昔から大きな魔法は苦手だったけれど、治癒魔法はどちらかというと得意な方だった。
だから、やれる。きっと、できる。
ユベールの傷を治したいから。
私を生きる目的にしてくれた、彼のために。
「あっ!」
「わっ! な、何?」
突然、私から赤い光が飛び出し、室内を染め上げる。遠くにいたユベールも驚いて駆け寄って来た。
「り、リゼット!? 何、やっているの?」
「えっと、魔法を使おうとしたら突然……」
どうしたらいいの? と聞こうとした途端、赤い光が小さくなっていき、私の胸元にある宝石に集約された。まるで、私の魔力を吸い取ったような、不思議な感じがしたのだ。
この姿でも使えるのかな。
唯一、誰にも負けないと自負できるものが、魔力量だった。こんな小さな体になっても、たとえ本来の魔力量が少なくなっても、他の人よりかはあるはずだ。
私は自分の両手を見た。まるで紅葉のような、小さな手。そこに向けて意識を集中させた。魔力を水のようにイメージして、手のひらに注ぎ込む。
私は昔から大きな魔法は苦手だったけれど、治癒魔法はどちらかというと得意な方だった。
だから、やれる。きっと、できる。
ユベールの傷を治したいから。
私を生きる目的にしてくれた、彼のために。
「あっ!」
「わっ! な、何?」
突然、私から赤い光が飛び出し、室内を染め上げる。遠くにいたユベールも驚いて駆け寄って来た。
「り、リゼット!? 何、やっているの?」
「えっと、魔法を使おうとしたら突然……」
どうしたらいいの? と聞こうとした途端、赤い光が小さくなっていき、私の胸元にある宝石に集約された。まるで、私の魔力を吸い取ったような、不思議な感じがしたのだ。