人形にされた伯爵令嬢~婚約破棄された落ちこぼれ魔術師は時を越えて幸せを掴む~
仄かに赤く光る宝石。
「これは……魔石?」
「いや、普通の宝石だよ。ある人から、リゼットを探すならあげる、と言って貰ったんだ。資金源として」
「資金?」
「誰かの手に渡っていたら、譲ってもらう必要があるから、そのための、ね。可愛い人形だから、きっと誰かが所持しているはずだからって」
か、可愛いって一体誰が……。
それよりも、ヴィクトル様と似た顔で可愛いって言われると、嬉しさと共に胸が締めつけられた。
ヴィクトル様に言われて一番嬉しい言葉だったから、余計に。
会いたい……。拒絶されたのに、どうしてそう思うんだろう。きっと、ユベールの顔が、幼き頃のヴィクトル様を彷彿させているからだ。
「これは……魔石?」
「いや、普通の宝石だよ。ある人から、リゼットを探すならあげる、と言って貰ったんだ。資金源として」
「資金?」
「誰かの手に渡っていたら、譲ってもらう必要があるから、そのための、ね。可愛い人形だから、きっと誰かが所持しているはずだからって」
か、可愛いって一体誰が……。
それよりも、ヴィクトル様と似た顔で可愛いって言われると、嬉しさと共に胸が締めつけられた。
ヴィクトル様に言われて一番嬉しい言葉だったから、余計に。
会いたい……。拒絶されたのに、どうしてそう思うんだろう。きっと、ユベールの顔が、幼き頃のヴィクトル様を彷彿させているからだ。