人形にされた伯爵令嬢~婚約破棄された落ちこぼれ魔術師は時を越えて幸せを掴む~
「ダメ! やっと見つけて、こうして話せるのに、それができなくなるのは嫌だ!」
「……もしかして、これがないと私、動かないんですか?」
「うん。見つけた時は、ただの人形で。魔石を付けると喋り出す、変わった人形として……あっ、ごめん」
ユベールは口元を手で隠しながら謝ったが、私はすぐに理解した。つまり、ユベールの手元に来る前の私は見世物小屋にいた、ということだ。
実際に見たことはないけれど、サビーナ先生が教えてくれた。
旅をしている時、魔法を使って芸をすると、一発でお金が稼げるのだとか。
「でしたら、私を使ってください。今の私なら、意識のない以上に上手くやれるはずですから」
ヴィクトル様の役には立てなかったけれど、ユベールの役に立つのなら、何だってする! 私を見つけてくれた、謂わば恩人なのだから。
けれどユベールは、何故か困った表情から悲しい顔になった。
「僕は君を利用したくて、手に入れたわけじゃない。あんな連中と一緒にしないで……」
「っ! ごめんなさい。そういう意味で言ったわけではないんです。私はただ、ユベールの役に立ちたくて……」
私のせいで貧しい生活をしていたんじゃないか、と思うと辛かった。
「……もしかして、これがないと私、動かないんですか?」
「うん。見つけた時は、ただの人形で。魔石を付けると喋り出す、変わった人形として……あっ、ごめん」
ユベールは口元を手で隠しながら謝ったが、私はすぐに理解した。つまり、ユベールの手元に来る前の私は見世物小屋にいた、ということだ。
実際に見たことはないけれど、サビーナ先生が教えてくれた。
旅をしている時、魔法を使って芸をすると、一発でお金が稼げるのだとか。
「でしたら、私を使ってください。今の私なら、意識のない以上に上手くやれるはずですから」
ヴィクトル様の役には立てなかったけれど、ユベールの役に立つのなら、何だってする! 私を見つけてくれた、謂わば恩人なのだから。
けれどユベールは、何故か困った表情から悲しい顔になった。
「僕は君を利用したくて、手に入れたわけじゃない。あんな連中と一緒にしないで……」
「っ! ごめんなさい。そういう意味で言ったわけではないんです。私はただ、ユベールの役に立ちたくて……」
私のせいで貧しい生活をしていたんじゃないか、と思うと辛かった。