初恋が実る瞬間、異世界召喚に邪魔された私。聖女なんて断固拒否させていただきます!〜魔王な幼馴染の溺愛は、世界を越えるようです〜
 私を元の世界に帰したくないオリヴェルさんは、きっと邪魔をしてくるはず。

 ……何か方法を見つけなきゃ。

 だけど、方法といっても私には知識が無い。

 やっぱり私はここで、足りない知識を補う必要がある。

 ──そして、私を助けてくれる仲間も。




 私はベルを鳴らし、ヘリヤさんを呼び出した。

「ヒナタ様、お呼びでしょうか?」

「お忙しいのにすみません。お願いがあるのですが」

「何なりとお申し付けください。神官長様より便宜を図るよう指示されていますので」

「じゃあ、神聖力や魔力について詳しい方はいませんか? 出来れば女性の方が良いんですけど」

 私がこの世界で使えるものと言えば、神聖力ぐらいだ。

 量だけはあるみたいだから、使いこなせるようになっておきたい。

「女性の方、ですか? 神官長様がここでは一番詳しいと思いますが……」

「そう思いますけど、オリヴェル様は美しすぎて……。その、気になって勉強に集中出来ないかも、しれませんし……」

 私はちょっと恥ずかしそうに、照れ気味に言った。

 まるで恋する乙女のように。

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