初恋が実る瞬間、異世界召喚に邪魔された私。聖女なんて断固拒否させていただきます!〜魔王な幼馴染の溺愛は、世界を越えるようです〜
「ああ! そうですよね、わかります! 私なんて神官長様にお会いすると、未だに緊張してしまいますもの! わかりました、心当たりがあるので聞いてきますね」

「有り難うございます! よろしくお願いします!」

 ヘリヤさんを見送った後、私はホッと胸を撫で下ろした。

 どうやら上手く行ったみたい。

 彼女はきっと、私がオリヴェルさんに好意を持っていて、恥ずかしくて別の人にお願いした、と思ってくれたはず。

 ちなみに、照れるフリをした時はきーくんのことを考えた。

 そのおかげで、大女優並みの演技力を発揮出来たかも……なんて。

 本当はオリヴェルさんに教えてもらうのが一番だとは思う。けど、あの人は信用出来ないから。

 それに、オリヴェルさんはリーディアに強い執着を持っている。

 未だに私を「リーディア様」と呼ぶぐらいだし、何より何万何億もの世界から私をみつけたのだ。

 きっと並々ならぬ想いがあるんだろうな、と思う。

 そんな想いが強ければ強いほど、私を懐柔するためには手段を選ばない……そんな気がする。

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