初恋が実る瞬間、異世界召喚に邪魔された私。聖女なんて断固拒否させていただきます!〜魔王な幼馴染の溺愛は、世界を越えるようです〜

第14話 この世界に魔王がいたんですか?


「あの、魔王様って……この世界に魔王がいたんですか?」

 私は何故か”魔王”が気になった。きーくんのあだ名と同じだからかな……?

「ええ、そうですよ。それはもう立派な魔導士で、見た目もとても美しかったと」

「……え? 魔導士? 魔物の王、とかじゃなく?」

 キョトン、とする私を見たミシェレさんが、面白そうに笑う。

「うふふっ、違いますよ。”魔王”という称号は、魔法使いの王という意味から来ているのです」

「魔法使いの王……!?」

 ミシェレさんに言われて納得した。確かに略したら魔王になるよね。

 ちなみに最上級の魔法使いに与えられる称号が”魔導師”で、その魔導師の頂点が”魔王”なのだと、ミシェレさんが教えてくれた。

「あの、その魔王様は今どこにいらっしゃるんですか?」

「魔王様は大聖女様がお亡くなりになった三ヶ月後に、お亡くなりになったと伝えられておりますよ」

「……あっ。そうなんですね……」

 魔王はもう亡くなっているのか……と思うと、少し寂しい気分になる。

< 105 / 113 >

この作品をシェア

pagetop