初恋が実る瞬間、異世界召喚に邪魔された私。聖女なんて断固拒否させていただきます!〜魔王な幼馴染の溺愛は、世界を越えるようです〜
 ──やっぱり、ここの会話は盗聴されている──!

 まさかここにミシェレさんが来るとは思わなかったから、会話を聞いて慌ててやって来たのかもしれない。

「失礼ながら神官長。私はヒナタ様の質問にお答えしていただけですよ。業務も怠っておりません」

「……っ、それは、そうだが……っ」

 ミシェレさんがビシッとオリヴェルさんに言った。

 堂々としているミシェレさんカッコイイ!

「あの、オリヴェル様。私、ミシェレさんに私の教師になって貰いたいんです! 本来の業務のお邪魔をしない範囲でいいので……! ダメ、ですか……?」

「それは……っ」

 私は何とかミシェレさんから教えて貰いたい、とお願いする。

 だってこの人なら、偏った内容じゃなく、正しく公平な目線で世界を見ていると思ったから。

 私はお祈りポーズのまま、じっとオリヴェルさんを見つめ続ける。

 こうなりゃ持久戦だ。

 そうしている内に、私の視線に耐えられなくなったのか、オリヴェルさんが両手を胸の辺りまで上げて、降参のポーズをとった。

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