初恋が実る瞬間、異世界召喚に邪魔された私。聖女なんて断固拒否させていただきます!〜魔王な幼馴染の溺愛は、世界を越えるようです〜
「人数もちょうど良いじゃ〜〜ん! ねぇ君たち、僕ちんと一緒にお茶しよ〜〜!」

 突然現れたヤバそうな人たちに、みんなの顔が真っ青になる。

「あ、すみません。お断りします。私たちこれから行くところがありますので」

 私はみんなを庇うように立つと、チンピラっぽい人たちにきっぱりと断りを入れた。

「ああん? きみ、可愛い顔して気が強いねぇ〜〜。いいよいいよ〜〜俺好みだよ〜〜」

 やはりと言うかなんと言うか、チンピラたちは人の話を聞いてくれない。

「えっと……。時間がないので、これで失礼します」

「おっとぉ〜〜っ! どこ行くの? 俺らも一緒に連れてってくれよ〜」

 早くここから立ち去ろうとしたけれど、チンピラたちに回り込まれて逃げ道を塞がれてしまう。

「……はぁ。そこまで言うなら、付いて来てください。ほら、みんなも行こ?」

 チンピラたちは私たちを逃す気が無いようなので、仕方なく一緒に連れていくことにする。

「ちょ、ちょっとひな……! 大丈夫なの……?」

「どこ行くん? あたしら無事に帰れるん?」

「ひなちゃんってこう言う時頼りになるよね」

 優希ちゃんと玲緒奈ちゃんがビクビクしているけれど、楓怜ちゃんは意外と平気そうだ。
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