初恋が実る瞬間、異世界召喚に邪魔された私。聖女なんて断固拒否させていただきます!〜魔王な幼馴染の溺愛は、世界を越えるようです〜
「え、総長……?」

 テツさんの言葉に、誰からともなく呟く声がしたかと思うと、私の背後からまた別の声が聞こえた。

「うーん、俺的には潰したいけど……。ひなちゃんはどう思う?」

「ふえっ?! どうして私に振るんですかっ!?」

 私の背後から現れたのは、モデルか俳優と言われても納得してしまう程のイケメンで。

 ──関東一帯の暴走族を配下に置いた”鬼神”の総長、宇賀神 暁さんが、私の耳にそっと口を近づけて、囁いた。

「え、だってひなちゃんは当事者だし、何より”魔王”のお気に入りでしょ?」
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