初恋が実る瞬間、異世界召喚に邪魔された私。聖女なんて断固拒否させていただきます!〜魔王な幼馴染の溺愛は、世界を越えるようです〜
 ”鬼神”のみんなはとても良い人たちだから、評価が上がるととても嬉しい。

 私が心の中で喜んでいると、スマホからLIMEメッセージの通知音がした。

「ちょっとごめんね」

 みんなに断りを入れてメッセージを確認してみると、相手はきーくんからだった。

 あっ! きーくんだ! ……と、喜んだのも束の間、ポポポ、と続けてメッセージが届く。

 >いまどこ?

 >暁から聞いた

 >すぐ会いたい

 >ひなの家に向かう

 >10分で着く

 >まってて

 どうやらきーくんは宇賀神さんから、私たちがチンピラに絡まれたことを聞いたみたいで、メッセージの内容からすごく心配してくれているのが伝わってくる。

 私は慌ててきーくんに返信した。

 >今友達と一緒に駅近くのカフェにいるの。何もなかったし大丈夫だよ。

 とりあえずきーくんを安心させようと、簡単にメッセージを送る。
 すぐに既読がついたから無事なのは伝わったはずだけれど、きっと私と実際に会うまで落ち着かないだろうから、早く帰った方がいいよね、と思う。

「みんなごめん! 急いで帰らなきゃいけなくなっちゃった!」

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