初恋が実る瞬間、異世界召喚に邪魔された私。聖女なんて断固拒否させていただきます!〜魔王な幼馴染の溺愛は、世界を越えるようです〜
あれは私がまだ幼稚園児だった頃。運動会の障害物競走で当時の悪役キャラをパンチする競技があった。
だけど、どうしてもパンチすることが出来きなかった私は号泣してしまい、競技を中断させてしまう。
結局私は先生に抱っこされながら退場したものの、その一連の出来事は今でも家族の笑いのネタにされている。
運動会以降、しばらく周りの子達から揶揄われたりしたけれど、それでも優しいきーくんだけは、私を馬鹿にしなかった。
……っていうか、むしろ嬉しそうにしていたと思う。
きーくんは"鬼月 皇(きづき すめら)"という名の、とても可愛い男の子だ。
病気のため途中で入園して来たきーくんを初めて見た時、女の子と間違うほどの可愛さに、ものすごい衝撃を受けたのを今でも鮮明に覚えている。
人見知りなのか、私を見た途端泣いてしまったからすごく困ったけれど、大きな瞳からポロポロと溢れる落ちる涙はまるで宝石のようで。
泣いてる顔すら綺麗で、思わず見惚れてしまったほどだ。