初恋が実る瞬間、異世界召喚に邪魔された私。聖女なんて断固拒否させていただきます!〜魔王な幼馴染の溺愛は、世界を越えるようです〜

第6話 宇賀神さんは意地悪だ!


 ──ついに私の誕生日当日がやってきた。

 二十四時間後の私はどんな顔をしているだろう……?

 たとえ想いが届かなかったとしても、笑顔だったらいいな、と思う。

 私は用意していた服に着替えると、少しクセがある髪の毛をゆるふわにまとめた。

 いつもよりフェミニンな雰囲気になるよう頑張ったし、大人っぽく見えたらいいけど。

「じゃあ、いってきまーす!」

 私は両親に今の姿を見られる前に家を出た。

 いつもと違う、精一杯のオシャレをした私を見たら、きっと質問してくるだろうと思ったから。

 待ち合わせの時間には早すぎるけど、待ちきれない私は約束の場所に向かうことにする。

 待ち合わせた公園には藤棚があったはず。そこでのんびりきーくんを待とうかな、と考えた私は、近くのコンビニでお茶を購入した。

「やあ、ひなちゃん昨日ぶり。今日もかわいいね」

「えっ?! 宇賀神さん?!」

 コンビニから出た瞬間、目の前に宇賀神さんが現れた。

 まさかこんなところで会うなんて、とびっくりする。

 ”鬼神”の総長である宇賀神さんは、そう簡単に会えるような人じゃないのに。

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