初恋が実る瞬間、異世界召喚に邪魔された私。聖女なんて断固拒否させていただきます!〜魔王な幼馴染の溺愛は、世界を越えるようです〜
私は自分にもこの世界の文字が読めるのかどうか確かめるために、本棚の前までいくと、ざっと背表紙の文字に目を通す。
「……あ! 読めた……!」
異世界転移のギフトなのかスキルなのかはわからないけれど、私にもこの世界の文字を読むことが出来た。
「やったー! もし読めなかったらどうしようかと思ったよ……」
もしかしたら文字を勉強しなきゃいけないのかな……って心配していたから、本当に良かった。
一から文字を覚えるのに、どれぐらい時間がかかるかわからなかったし。
私は本棚の間を歩きながら、どんな本があるのか見て回ることにした。
「うーん、やっぱり神殿の図書館だけあって、神様関係の本が多いなぁ……」
やはりと言うか何と言うか、図書館の本のほとんどが宗教関係だった。
宗教思想に宗教哲学、宗教の歴史の他に、美術や建築の本などもあった。
だけど私が知りたいのは、異世界についての本だったりする。
「これは……永遠に見つからないヤツなのでは……。うーん、司書さんとかいないかなぁ……?」
ちなみにこの図書館に入ってから、私は人の姿を見ていない。