初恋が実る瞬間、異世界召喚に邪魔された私。聖女なんて断固拒否させていただきます!〜魔王な幼馴染の溺愛は、世界を越えるようです〜
「マナーなんて気にしなくて大丈夫ですよ。基本であれば、私が教えて差し上げます」

「あ、有り難うございます。助かります」

 気持ちを切り替えてみれば、素直にお礼の言葉が出た。

 私の態度が柔らかくなったのがよほど嬉しかったのか、オリヴェルさんがまるで、花が咲くように笑う。

 きーくんを筆頭に、今までたくさん美形を見て来たけれど、大人なオリヴェルさんの美貌は、またタイプが違って新鮮に見えた。

「ああ、この辺りがご所望の本ですね」

 話しながら歩いていると、いつの間にか目的の場所に到着していた。

「あ、有り難うございます」

「いえ。他の分類の本が必要ならまたお呼びください。では、ごゆっくり」

 オリヴェルさんは私に軽く会釈すると、図書館から出ていった。

 ずっと二人でいるのはキツかったから、正直とても助かった。

 私は何冊かの本を選ぶと、近くにあるテーブルへと移動する。

 この図書館にはいくつかのテーブルと椅子が等間隔で置いてあるので、重い本を持って移動しなくて済むからとても便利。

 これでお茶とお菓子があれば、とても快適なのに。

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