初恋が実る瞬間、異世界召喚に邪魔された私。聖女なんて断固拒否させていただきます!〜魔王な幼馴染の溺愛は、世界を越えるようです〜
 私と合わせて四人のこのグループは、高校で同じクラスの仲良し友達だ。

 みんなでカラオケ屋さんに入り、冷房の効いた部屋で冷たいジュースを飲むと、ようやく落ち着くことが出来た。

「しっかしこの殺人級の暑さ、どうにかならんもんかねぇ!」

「早く秋が来てほしいよね」

「あ〜〜……。冬が恋しいわ……」

 優希ちゃんたちの意見に私も全力で賛成だ。暑いより寒い方が好きだし。

「夏になると変なの湧いてくるもんね! そう言えば最近、柄が悪い連中増えてない?」

「あ〜〜。他所のとこから来てる連中やろなぁアレ。せっかくここ治安が良いのに、悪くなってまうなぁ……」

 優希ちゃんと玲緒奈ちゃんはこの付近で、人相が悪く睨みを聞かせながら歩いている見慣れない集団を目撃したらしい。

「それは困るね。”鬼神”と抗争にならなきゃいいけれど……」

 楓怜ちゃんが言う”鬼神”はこの街を本拠地にしている大きな暴走族グループだ。
 その勢力は衰えることなく、縄張りをどんどん広げていると聞いた。

 暴走族と言ってもマナーが良く、周りからの評判もそんなに悪くない。

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