初恋が実る瞬間、異世界召喚に邪魔された私。聖女なんて断固拒否させていただきます!〜魔王な幼馴染の溺愛は、世界を越えるようです〜
第11話 魔法を使ってみたいな……なんて。
「神聖力と魔力の違いですか? 私も詳しくはわかりませんけど、神聖力は怪我や病気を治したり、瘴気や毒素を浄化出来ると聞いています」
ヘリヤさんの説明は大体私の予想通りで、魔力では治癒や浄化が出来ないということだった。
「じゃあ、私には魔力が無いんでしょうか……?」
治癒や浄化が使えるのは勿論嬉しいけれど、欲を言わせて貰えば魔法も使ってみたいなぁ……なんて。
「ヒナタ様の魔力については……どうでしょう? 一度神官長様にお伺いしてみては?」
私に魔力があるかどうかは、オリヴェルさんに聞かないとダメみたい。
……まあ、そりゃそうだよね。
「わかりました。食事の時にでも聞いてみます。引き留めてすみません」
「いえ、お役に立てず申し訳ありません。何かありましたらお呼びください」
ヘリヤさんはそう言うと、ワゴンを押して図書館から退出していった。
私はヘリヤさんを見送ると、サンドイッチとお茶を浄化してみることにする。
「……あれ? そういえば浄化ってどうやるんだろう……?」
オリヴェルさんから話を聞いた時、質問すれば良かったと後悔した。