初恋が実る瞬間、異世界召喚に邪魔された私。聖女なんて断固拒否させていただきます!〜魔王な幼馴染の溺愛は、世界を越えるようです〜
「あれ? そういえば本は光らなかったよね」

 ……私が触れた物すべてが光る訳じゃ無いのかな?

 気になった私は、今度は浄化のことを考えずにサンドイッチを持ってみた。

「光らない……」

 手に持ったサンドイッチに変化はなかった。

 ……どうやら私が浄化したい、と思わなきゃダメみたいだ。

 でも、所構わず浄化してしまうよりは、自分の意思で浄化出来る方が良いもんね。

「はぁ……。美味し〜〜……」

 神聖力の使い方がなんとなくわかった私は、お茶とサンドイッチを堪能する。

 食べ物の心配が無くなった開放感と、お腹が空いていたこともあって、サンドイッチがやけに美味しく感じる。




「……ふぅ。満足満足。読書の続きしよっと!」

 お腹が満たされたからか、だいぶ元気が出たような気がする。

 私は再び本を手に取ると、続きを読み進めていく。

 本からわかったことは、この世界にはヒュームとエルフ、ドワーフにミクルフ、ナーガという種族の存在だ。

 描かれている絵で判断すると、ヒュームは人間で、ミクルフは獣人、ナーガは竜人のことらしい。

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