初恋が実る瞬間、異世界召喚に邪魔された私。聖女なんて断固拒否させていただきます!〜魔王な幼馴染の溺愛は、世界を越えるようです〜
 お風呂の中で考え事してたらのぼせちゃうし。

 脱衣所に戻ると、用意されていた着替えに手を通す。

 さらりとした質感の布はとても着心地が良かった。

 これ、もしかしてシルクじゃ……。

 ワンピースタイプの寝巻きは所々にレースが使われていてとても可愛い。

 レースも繊細で手編みのように見える。

 どう考えても、パジャマがわりに来て良い代物じゃないような……?

 でもこれ以外に着替えはないし、仕方ないよね、と私は自分に無理やり言い聞かせる。




「ヒナタ様、冷たいお飲み物をご用意しました」

 部屋に戻ると、ヘリヤさんが飲み物まで用意してくれていた。

 至れり尽くせりの環境に、慣れてしまったらヤバい……と思いつつ、せっかくだから……と、美味しくいただいてしまう。

 このままだと違う意味でダメかもしれない。

「また明日起こしにまいります。どうぞごゆっくりお休みくださいませ」

「あ、今日は有り難うございました。よろしくお願いします」

 ヘリヤさんと侍女さんたちが部屋を出ると、途端にしん……と部屋が静かになる。

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