双子のボディーガードは最強吸血鬼と最恐騎士!?

王史郎の目が細くなる。表情筋がない人だと思っていたのに、この笑顔。どうやらウケてくれたらしい。王史郎の考えてることが分かると、嬉しいな。


「あ〜、今やっと疲れがとれた気がする」

「風呂はイマイチだった?」

「とんでもない!最高だったよ!
でもね……ふふ。内緒ッ」

「?」


どうやら私にとって王史郎の笑顔は、お風呂よりも効果があるみたい――とは、ちょっぴり恥ずかしくて言えなかった。



‪‪‪☪︎·◌˳𓇬‬



「で、これが制服。これがカバン、教科書とかは学校が用意してくれてるらしい」

「なんで昨日の今日で、転校準備がバッチリなの?」


朝起きてリビングに行くと、ズラリと並んだ学校用品が目に入る。どうやら〝今日から私が通う〟学校の物らしい。


「さゆは帰国子女。家族ぐるみで仲が良いから、両親が帰って来るまで俺の家で一緒に住んでるって設定」

「学校の手続きは誰がしてくれたの?というか、制服とかは誰が買ってくれたの?」

「……はぁ」

「え、ため息?」


口を開けば質問しかしない私を見て、王史郎は眉間にシワを寄せた。顔に「説明が面倒」って書いてある。

うぅ、だって気になるじゃん……。

すると「どーぞ」と。
渡されたのは、新品の制服。


「着て来いよ。あと十分で家を出る。学校までの道を教えるから」

「わぁ、すぐ着替えてくる!」


完璧にはぐらかされたけど、置いて行かれるのは嫌なので。超高速スピードで早着替えする。

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