双子のボディーガードは最強吸血鬼と最恐騎士!?


『行かせない』

『っ!なんで、分からないかなぁ!赤い宝石があれば、僕は最強になれる。王史郎は〝最強の息子〟になれるんだよ?』

『……関係ない』


王史郎は、体にグッと力を入れたかと思いきや。モクの体をめがけて、鎌を振り下ろす。

だけど直前でかわされ、王史郎は短く舌を鳴らした。


『肩書とか、どうでもいい。
俺にとって大事なのは――

大切な人を守れるか。

ただ、それだけだ』

『強気だなぁ。でも僕は絶対、あの子を奪うよ』


クツクツ、と。楽しくて仕方ない笑みを浮かべるモク。

そんなモクを見て、瞳に落胆を浮かべた王史郎は、ゆっくりと瞳を閉じた後。

もう迷いのない目で、モクを睨んだ。



『さゆは、俺が守る』



‪‪‪☪︎·◌˳𓇬‬


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