双子のボディーガードは最強吸血鬼と最恐騎士!?


「ごめんね、イオくん。仲良かった双子の王史郎が、急に吸血鬼になって……悲しかったよね。辛かったよね。私のせいで、ごめんね……っ」

「違うよ、さゆが謝ることじゃない。あの後、確かに王史郎と疎遠になったけど……俺が自分を許せなかっただけなんだ」

「許せない……?」


首を傾げる私に、イオくんが笑う。


「どっちが吸血鬼になるか決断を迫られた、あの時。正直に言うと、俺……怖かったんだ」



『王史郎……お、俺が……っ』



「〝吸血鬼になりたくない〟っていう俺の気持ちを、王史郎は見抜いていた。だから俺に相談なく、独断で吸血鬼になった。

見抜かれていたことが悔しくて、恥ずかしかった。
思い出す度に、自分が情けなくなったよ。

そのやるせない気持ちが、いつしか〝王史郎を見返してやる〟って感情を生み出した。だから俺は、ずっと王史郎を追いかけていたんだ」

「そうだったんだ……」


確かに、出会った時のイオくんは、すごく王史郎に執着していた。なんでだろうって思ったけど、ちゃんとした理由があったんだ。

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