双子のボディーガードは最強吸血鬼と最恐騎士!?


「九年前、俺はさゆを守れなかった。だから今回は守らせてほしい。っていうか……カッコつけさせて」

「カッコつける?」

「九年前。俺と王史郎が、あんなに必死になってさゆを助けたのは……さゆを、ただの女の子として見ていないからだよ。

といっても、あの鈍感吸血鬼は、自分の気持ちに気付いてないけどね」

「それって……。
――――っ!」


え、まさか。
二人は私のこと……好きなの⁉

そんなワケないよ、きっと冗談――って頭では分かっているんだけど。

イオくんの顔が、あまりに優しくて。私を見る目が、いつもより甘い気がして……錯覚しそうになる。


「こ、こんな時に冗談はダメだよ、イオくん!
それに、ホラ!王史郎を助けに行かないと!」


真っ赤な顔の私を見ながら、「本心なのに」とクスクス笑うイオくん。

その時。私たちの真横に、砂埃と共に大きなガレキがドスンと落ちた。


「わ!」
「さゆ、掴まって!」


イオくんに抱えられ、宙を浮く。

改めて周りを見ると、あちこちに穴が開き、コンクリートがむき出しになっていた。どこを見てもヒドイ有様だ。

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