双子のボディーガードは最強吸血鬼と最恐騎士!?
「イオくん、このまま王史郎の所へ行ける?」
「何か勝算があるの?」
「うん!」
イオくんはしばらく考えた後。
私への説得を諦め、移動を始める。
「行かせたくないけど、仕方ないか。それに、さゆは俺が全力で守るから、安心してね」
「う、うん……ありがとうっ」
イオくんに運ばれながら、王史郎を探す。
さっき私たちがいたのは、二階の踊り場。でも王史郎とモクは既に移動したらしく、遠くで轟音が聞こえた。
「いたよ、あそこだ」
二階の廊下を曲がった先。そこに王史郎はいた。
疲労困憊なのか、かろうじて片膝を立てている。荒々しい息に合わせ、王史郎の肩が大きく上下していた。
「王史郎……っ」
「思った以上にヤバいね」
いくら自分がボロボロになろうが、モクを〝私たちがいる方〟へ行かせまいと。迫り来る巨大な鎌を、王史郎は間一髪で撃退する。
一人で踏ん張り、戦う姿。
それを見て、胸が苦しくなった。
王史郎は今も昔も、私のために戦ってくれているんだ!