双子のボディーガードは最強吸血鬼と最恐騎士!?
「王史郎!」
「え、さゆ⁉」
イオくんから離れ、王史郎に向かって飛び降りる。上から降って来る私を、王四郎は両手を広げて受け止めた。
「王史郎、ナイスキャッチ!」
「な……なんで来たんだよ!バカ!」
「バカじゃないよ。私は王史郎を、助けに来たの!」
「……は?」
ポカン顔の王史郎の背後から、巨大な鎌が迫る。
だけど同じく巨大な鎌を出したイオくんが、刃同士をぶつけて攻撃を防いだ。
「王史郎、交代。ちょっと休んでなよ。
あと、さゆを怒らないこと。何か策があるらしいから、黙って聞いてあげてね」
「イオ……」
王史郎を無理やり退けたイオくんは、九年ぶりにモクと向かい合う。顔に浮かぶのは、怒り。
「やぁ。大きくなったね、イオ」
「俺の名前を気安く呼ばないでくれるかな?父さんの顔したバケモノ」
「ふふ、わが子はみんなして口が悪いね」
クスクス言いながら、鎌を操るモク。疲れ果てた王史郎とはうってかわって、まだまだ元気そう。