双子のボディーガードは最強吸血鬼と最恐騎士!?
「僕の偉業を、どうしてわが子たちは分かってくれないのかな?」
「さぁ。尊敬されてないからじゃない?人として」
「ふふ。そも僕は人間じゃないからねぇ」
「……本当、タヌキジジイめ」
互いの姿が見えなくなった途端。キンッと、二人の鎌がぶつかり合う。
移動するスピードが速すぎて、目で追えない。鎌のぶつかり合う音だけが、廊下のあちこちで響いた。
「それで、策ってなんだよ」
イオくんに言われた通り、怒らず私の話を聞いてくれるらしい。私は王四郎に、自分の左手を突き出した。
「ニセモノじゃない、本当の契約をしよう」
「本当の契約?」
「そうすれば王史郎は全ての力が使えるようになるって、モクが言ってた。あの話し方は、本当だと思う」
「俺の、全ての力……」
コクンと頷く私を見て、王史郎は呆然とした。
だけど弾かれたように、首を横へ振る。
「それはダメだ。だってお前、言ってただろ?」
『だって左手の薬指は、その、王史郎にあげたくないっていうか!』
「人間にとって、左手の薬指は大事なんだろ?じゃあ大切にしろよ。こんな時に使うな」