双子のボディーガードは最強吸血鬼と最恐騎士!?
「王史郎……」
こんな危機的状況だというのに、それでも私の気持ちを尊重してくれるなんて。
ぶっきらぼうな言葉の裏にある、温かな気持ち。それに気づいて、胸がキュッとしまる。
ありがとう。
ありがとうね、王史郎。
だけど、いいんだよ。
「大事だからこそ、王史郎と契約したい。
王史郎に、左手の薬指を噛んでほしいの」
「でも……」
「さっき、イオくんに過去を見せてもらった。王史郎が私のために吸血鬼になったって、やっと知れた。
今度は私が、あなたの力になる番だよ」
「!」
私のために、騎士団から吸血鬼になった王史郎。
父親を失い、そして双子の弟からも距離を置かれ、急に一人ぼっちになってしまった。
全ては、私を守ったからこそ――
「私も王四郎に返したい。守ってあげたい。
一人で戦って、傷だらけになって……それでも逃げない、カッコイイ王史郎のそばにいたいの」
「俺が、カッコイイ……?」
ポカンと口を開けた王史郎。傷だらけになった彼の頬へ、手を添える。
こんなになってまで守ってくれる人を、私は他に知らない。