双子のボディーガードは最強吸血鬼と最恐騎士!?
5滴➼これからも、ずっと一緒
☪︎5滴➼これからも、ずっと一緒
「じゃあ――少しだけ我慢な」
王史郎が私の指から吸血し始めると、青い光が、二人を包むように現れる。
その光に触れた王史郎の傷は、痕を残さずキレイに消えた。
「さゆ、痛いところあるか?」
「ううん、ないよ」
「良かった。ありがとう、おかげで元気になった」
「うん!」
青い光は流れ星のように四方に飛び、だんだん輝きを失う。
最後の一筋になった光が、王史郎の左手に飛んでくる。そして薬指に巻き付いた後、指輪へと姿を変えた。
「キレイ……」
「この指輪から、今までにない力を感じる。これが契約したことで解放される、自分の本当の力なのか。すごいな」
王史郎は自分の手を握ったり開いたりしながら、みなぎる力を実感していた。さっきまでの疲れ切った顔は、もうどこにもない。
「さゆ、アイツはこの世に存在しちゃいけないモノだ。だから俺たちの手で倒してくる」
モクを見ながら、王史郎は宝石で剣を作る。その刃に、キラリと自分の顔を反射させた。
写っているのは、前だけを見る、青い瞳。
王史郎の、揺るぎない意志。