双子のボディーガードは最強吸血鬼と最恐騎士!?
反して私は、王史郎、モク、イオくんを交互に見る。見れば見るほど、三人は似ていて……やっぱり親子なんだって実感する。
「王史郎、あのさ……モクを消さずに、改心させる方法ってないかな?」
「え?」
「だってモクは、王史郎とイオくんの父親でしょ?家族同士で、なんて……やっぱり辛いもん」
「さゆ……」
王史郎が笑ったかと思えば、私の両頬をパシッと両手で挟む。
そして「ばーか」と。私の髪を、ぐしゃぐしゃ撫でた。
「さゆは、そんなこと気にしなくていいだよ」
「でも」
「〝行ってらっしゃい〟って言ってくれれば、それでいいんだ。頼めるか?……ダメ?」
「うっ……」
こんな時に、眉を下げてしおらしくなる王史郎。
ズルい!
こんな顔されたら、もう反論できないじゃん!
悔しい気持ちを抑えつつ「いってらっしゃい……」と。納得いかない顔で、王史郎を見上げる。すると王史郎も、私を見つめていて……。
そうかと思えば、私の頬に、柔らかい物が当たった。王史郎の顔が、すごく近くにある。
「お、王史郎……?」