双子のボディーガードは最強吸血鬼と最恐騎士!?
「……え、あ!悪い!」
「う、ううん……!」
頬にキスされた――と気づいたのは、王史郎が顔を真っ赤にした時。
彼は顔を赤くしたまま、意を決した顔で私を見る。
「さゆ、全部終わったら……話したいことがあるんだ。聞いてくれるか?」
「う、うん……」
「良かった。じゃ、いってきます」
パンッと、弓矢が放たれるような勢いで、王史郎は駆け出した。
全ての力を取り戻した王史郎が加勢にしたことにより、形成逆転した戦い。
優位になった王史郎とイオくんを見ながら……熱くなった頬に、手を当てる。
「王史郎のいう〝話〟って……ううん。今は戦いに集中しなきゃ!」
すると遠くにいるモクと目が合う。劣勢に追いやられ焦ったモクは、不気味な笑みを浮かべながら、鎌を私へ向けた。
「こうなったら、運命の子だけでも道連れにしてやる!」
「⁉」
「さゆ、逃げろ!」
私に向かって、大きな鎌が飛んでくる!それは二人の間をするりと抜け、私をめがけ、大きく振りかぶった!
「こ、こないでぇ!」
何か武器はない?
対抗できるものは……!
無我夢中で、ポケットに手を突っ込む。すると何かが指に当たる……これだ!