双子のボディーガードは最強吸血鬼と最恐騎士!?
「さゆ!」
同時に、力強く抱きしめられる。
見ると、王史郎が私を抱き寄せ、鎌の軌道から逃がそうとしてくれていた。
今がチャンスだ!
鎌をかわしながら、ポケットから抜いた手を、モクへ見えるように突き出す!
「モク!これを見て!!」
「!」
モクと、モクが操る鎌が、動きを止める。
次にモクはガクンと膝をつき、両手で顔を覆った。
「あぁ、百合葉……」
モクに見せたのは、この家に住んでいた家族四人の集合写真。皆が笑顔で写っている写真を見て、モクはハラハラ涙を落とす。
その姿から、さっきまでの気迫がまるで感じられない。むしろ、哀愁が漂っているっていうか……。
モクを見て混乱する私に、私たちと合流したイオくんが説明してくれた。
「百合葉は、俺たち母さんの名前だよ。アイツは……父さんは、母さんのことを心から想っていたんだ。でも体が弱くて、俺らが幼い時に病死した。一番落ち込んでいたのは、父さんだった」
「そうなんだ……」