双子のボディーガードは最強吸血鬼と最恐騎士!?


「宝石を壊しちゃダメなのかよ。どういう意味だ!」

「父さんが消す方法を探すから、それまで大人しくしてろって事かな?」

「え、じゃあ私は、それまで色んな人に狙われ続けるってこと⁉」

「さゆには俺のシルシがついてるから、ソコは大丈夫なはずだ。それに俺が絶対守るし」

「……っ」


カッと顔を赤くした私の横で、イオくんがため息をつく。


「なににしろ、再び父さんと会えるまでは何も分からない……か」


推理を重ねたところで、肝心のモクがいないんじゃ机上の空論だ。

私たちはため息をついた後、「とりあえずご飯を食べよう」と。各々の騒がしいお腹をさすった。


「あ、王史郎。ちょっとお願いがあるんだけど、いい?」

「なんだよ」

「私の部屋まで、連れて行ってほしいの」

「いいけど?何かあんの?」


小首を傾げる王史郎が、私をサッとお姫様抱っこする。慣れない態勢に、また顔が赤くなる!


「さゆ、王史郎の抱っこが嫌なら、いつでも俺が変わるからね?」

「こら、イオ」
「は、はは……。ありがとう、イオくん」


イオくんのウィンクを見届けた後。ボロボロの廊下を進んだ私たちは、ついに私の部屋へ到着する。

< 133 / 154 >

この作品をシェア

pagetop