双子のボディーガードは最強吸血鬼と最恐騎士!?
「宝石を壊しちゃダメなのかよ。どういう意味だ!」
「父さんが消す方法を探すから、それまで大人しくしてろって事かな?」
「え、じゃあ私は、それまで色んな人に狙われ続けるってこと⁉」
「さゆには俺のシルシがついてるから、ソコは大丈夫なはずだ。それに俺が絶対守るし」
「……っ」
カッと顔を赤くした私の横で、イオくんがため息をつく。
「なににしろ、再び父さんと会えるまでは何も分からない……か」
推理を重ねたところで、肝心のモクがいないんじゃ机上の空論だ。
私たちはため息をついた後、「とりあえずご飯を食べよう」と。各々の騒がしいお腹をさすった。
「あ、王史郎。ちょっとお願いがあるんだけど、いい?」
「なんだよ」
「私の部屋まで、連れて行ってほしいの」
「いいけど?何かあんの?」
小首を傾げる王史郎が、私をサッとお姫様抱っこする。慣れない態勢に、また顔が赤くなる!
「さゆ、王史郎の抱っこが嫌なら、いつでも俺が変わるからね?」
「こら、イオ」
「は、はは……。ありがとう、イオくん」
イオくんのウィンクを見届けた後。ボロボロの廊下を進んだ私たちは、ついに私の部屋へ到着する。