双子のボディーガードは最強吸血鬼と最恐騎士!?

黒い瞳に見つめられる。
というか、かなりにじり寄って来られてる!

あまり近づかれると、昨日ほっぺにキスされたことを思い出すから、やめてほしい……!


「ち、近いよ!王史郎!」

「あ、悪い。人間に吸血する時かなり近づくから、通常の距離感がバグってるんだよな」


ぽりっと頬をかきながら、ウソ偽りなしの顔で喋る王史郎。

私は「吸血」の言葉を聞いて、ある日のことを思い出す。


それは、王史郎が女子生徒の血を吸っていた時。

あぐらをかいた足の上に、女の子を抱きかかえて、そして……あぁ、なんか嫌だな。胸が苦しくなってきた。ムカムカしてきたし……。


「王史郎。あぁいうことは、もう……」

「なんだよ。〝あぁいうこと〟って」

「――え⁉」


思わず声に出ちゃってた!
ヤバ、と思った時は、既に遅くて。

私が何を言いたいか分かった顔をした王史郎は、得意気に口にニンマリ弧を描く。


「そう言えば、契約を結んだら、俺はご主人サマの血しか飲めないんだった」

「え?」

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