双子のボディーガードは最強吸血鬼と最恐騎士!?
「ということは俺は今後、さゆの血しか飲まないってわけだ」
「そう、なんだ……」
ホッと短く吐いた息が、王史郎の目にしっかり映る。彼が更に口角を上げたのは、言うまでもない。
「俺を独り占めできて満足ですか?ご主人サマ」
「!」
私の気持ちを的確に当てる王史郎。なんて勘の鋭さ!
楽しそうにベッドに座る王史郎の背中を、グイッと押し戻す。
「さすがに今は飲まないよね?ほら私、病み上がりだし!血がマズくなってるかも」
「んなわけあるか。もう何回も飲んでるんだから分かるよ、さゆの血は美味しい」
「ッ!」
く、食い気味で否定された!
副音声で「だから今すぐ飲ませて」とも聞こえる!
「な、なんで……なんでそんなに余裕なの⁉」
「なんでって、昨日お前が言ったんだぞ。血を飲んでとか、指輪をもらうなら俺がいいとか」
「え?」
記憶を整理する。
あれは確か、モクとの戦闘の終盤で――あぁ!
少しずつ記憶の蓋が開き、ほどなくして全て思い出す。
そう言えば、昨日……言った!!
恥ずかしいことばっかり言った!
わぁ~、ハッキリ思い出しちゃった!