双子のボディーガードは最強吸血鬼と最恐騎士!?


「さゆが左手じゃなく右手を出したから、契約失敗したんだよ!このバカ!」

「ええ⁉」


まさか私、自分で自分の首を絞めちゃったの!?

頭を抱えていると、王史郎はサッサとこの場を去ろうとする。「付き合ってらんねーよ」と、いかにもな捨て台詞を残して。

もちろん、ココに一人で残されると困る。

非常に困る!


「私を助けるんじゃなかったの!?」

「知らねぇ。自ら危ない橋を渡りやがって。これじゃ守るもんも守れないだろうが。しっかり俺に守らせろよ」

「それって……」


なんか、愛の告白にも聞こえちゃうんですけど……。

もちろん王史郎が欲しがってるのは、私の中の物だって分かってるよ?

でも、私の目を見ながら真剣に言われたら……私のことを心配してくれてるのかな?って勘違いしちゃうよ。


「はぁ契約失敗したせいか、なんか気怠いから見学させてもらうわ」

「なっ!」


確かに左手を出した私が悪いけどさ……でも「はい。そうですか」って素直に薬指を差し出せるわけないじゃん!

半信半疑だったし、なにより……。
お父さんとお母さんを見てると、憧れちゃったんだもん。

左手の薬指には噛み跡じゃなくて、〝好きな人とお揃いの指輪〟が欲しいって――


「王史郎……ごめん。
私、死にたくないの……!」


憧れの指輪をはめるまでは、死ねない。
だから――

< 26 / 154 >

この作品をシェア

pagetop