双子のボディーガードは最強吸血鬼と最恐騎士!?
「よければ来るか?」
「え?」
「俺の家。そもそもが大きいのに、いま家族は海外にいるんだ。だから部屋は空きまくり」
「でも、あなたのお父さんお母さんに、一応許可をとらなくていいの?」
「大丈夫。話すことないし」
「え……」
それは、仲が悪いってこと?
私の家は笑顔が絶えない家だった。小さい頃、私が泣いたらお母さんが笑わせてくれた。
お母さんは手品が出来るのか、ぬいぐるみを宙に浮かせたり、人形を喋らせたりすることが出来る。不思議だよね。
どうやってるの?って聞いたことがあるけど「魔法よ」って。かたくなに種明かししてくれなかったっけ。
「で、どうする?」
「……あ」
話が脱線しちゃった。
男の子の家にあがりこむのは、どうかと思うけど……。このままじゃ野宿確定だし、今晩は泊まらせてもらおう。
「よ、よろしくお願いします」
頭を下げると、「ん」と短い返事がきた。
端正な顔の横で、ピアスがキラリと光る。