双子のボディーガードは最強吸血鬼と最恐騎士!?
「おーい、さゆ。出来たぞ」
「い、いただきます……っ」
パンッと手を合わせて、お辞儀をする。私の分まで作ってくれるなんて、感謝感謝だ。
目の前には、美味しそうなカレーライス&サラダ。黄緑のレタスの上に映える赤は……トマト。
あ、あれ?
「さっき私の嫌いな物を聞いたよね?」
「聞いたな」
「あ、わざと乗せた感じ?」
「そうだな」
コクリと頷きながら、王史郎は添えられたスプーンで、福神漬けをお皿に移す。結構モリモリに盛ってる。私も好きなので、王史郎からスプーンをかりた。
ご飯の白、カレーの茶色。そこに映える、赤!うぅ、美味しそう!
「この赤は、好きなんだけどなぁ……」
福神漬け、トマトを順に見る。口をへの字にする私とは反対に、王史郎はククッと、意地悪く笑うだけ。
うぅ、作ってもらってる身分で残せないし。
頑張って食べよう……っ。
えいっと。勢いよくトマトに箸をのばす私を見て、王史郎から「おぉ」と感嘆の声。控えめに拍手までしてくれた。
そんなに褒めてくれると嬉しいな。
調子に乗って、お皿の上のトマトを一気にやっつける!
「好き嫌いがない人間の血は美味しいからな。トマト、全部食べろよ」
「へぅ!?」