双子のボディーガードは最強吸血鬼と最恐騎士!?
「お名前きいてもいいですか?」
「王史郎」
おうしろう……。
漢字を聞くと、なお驚く。
こんな爽やか系イケメンに「王史郎」は、ちょっと意外だ。
「アンタは?」
「宇佐美さゆ、です」
「じゃあ、さゆ行こ。俺の家こっち」
キュッと手を握られ、夜道を二人で歩く。男性――王史郎の靴音だけが、二人の間に響いた。
「……ん~」
なんか、王史郎って不思議だ。こんな暗闇に出会ったばかりの男の子だというのに、安心する。繋いだ手も、全然イヤじゃない。
っていうか、なんか懐か――
「あ、さゆ笑ってる」
「え!笑ってました?」
「笑ってた笑ってた」
ふっ、と。目を閉じて歩く王史郎の髪が、夜風でなびく。金のピアスが、月明かりに反射した。
「王史郎ってオシャレだよね。何歳?」
「十四歳」
「え、私と同い年!?」
改めて、頭から足まで見つめる。服装からして大人っぽかったから、てっきり年上だと思ってた!
……いや、むしろ私が子供っぽすぎるのかも?
なんて百面相をしていると、「さゆ」と。王史郎に呼び止められる。