双子のボディーガードは最強吸血鬼と最恐騎士!?
「イオくん、ゴメン!重いだろうけど、ぜったい私を落とさないでぇ!」
「いや、重くはないけど……」
必死な形相の私を見て、本日何度目かのため息をついたイオくん。その無気力加減が「もしや手を緩めて落とされちゃう!?」って不吉なことを連想しちゃう。
もしココから落ちたら――ひぇ。
それだけは、何が何でも回避したい!
現在、私はイオくんにお姫様抱っこをされている。最初こそ恥ずかしかったけど、今となってはなりふり構っていられない。
「イオくん、嫌だろうけど我慢してね!」
「は!?」
(無いとは思うけど)気分で落とされないよう、イオくんの肩に手を回す。更にイオくんの胸にボフンと顔をつけ、景色をシャットアウトした。
これなら落とされる心配もないし、高すぎる景色も、怖い騎士団も見なくて済む!
万事解決!と胸を撫で下ろしていると……何か聞こえる。太鼓のような、規則正しいリズム。
ドクドクドクドク、ドクドク――