双子のボディーガードは最強吸血鬼と最恐騎士!?
「よし、ここまで来れば大丈夫かな」
「重いのに最後まで(落とさずに)運んでくれて、本当にありがとう!この恩はいつか絶対に返すね!」
「なんか今、副音声が聞こえたきがしたんだけど……」
騎士団をまいた後。
どこへ行くのかと思えば、イオくんは王史郎の家に来た。というか、前はイオくんも住んでいただろうから「自分の家に帰って来た」といった方が正しい。
門の前で私を降ろした後、イオくんは涼しい顔で空を見上げる。
もしかして騎士団がいないか警戒してくれてる?イオくんって最初こそ怖かったけど、やっぱり優しい人だ。
「それにしてもイオくん。あんなに飛んで、よく疲れないね……」
「そりゃ俺、人間じゃないし」
「え、騎士団って人間じゃないの?」
「人間の形をしているだけで、本来は吸血鬼を倒すハンターだからね。人間VS吸血鬼じゃ力量差がありすぎて、お話しにならないでしょ?だから〝神様が騎士団を作った〟って言われてる」
「へぇ、そうなんだね」