双子のボディーガードは最強吸血鬼と最恐騎士!?

お話しにならないくらい、吸血鬼って強いんだ。じゃあ、その頂点にいる「最強吸血鬼」の王史郎は、いったいどれほど強いんだろう。

私につけた〝王史郎のシルシを見た吸血鬼は震えあがる〟って言ってたもんね。前なんか、イオくんが私に触れただけでバリアが発動して、イオくんが火傷しちゃったし。

……あれ?


「さっきイオくんに触られても、バリア出なかったよね?どうして?」

「俺に敵意がないからでしょ」


サラッと言うイオくん。
ということは、前回はバリバリあったって事だね?
打ち解けてくれて、本当に良かった……!


「王史郎がつけたシルシって、相手の気持ちまで分別してるの?AI並みに賢いね」

「最強の吸血鬼だからね。それくらい造作もないんじゃない?おかげでコッチは何杯も食わされて、腹立たしいったらないよ」


なるほど。最強の吸血鬼って、そんな細かい所まで力を操れるんだ。すごい。


っていうかイオくんの横顔――まるで「兄弟ケンカ」した時みたい。怒っているけど、心の底からは憎んでないような。

やっぱりイオくんは〝心から王史郎を嫌っているワケじゃない〟んだ、良かった。

< 69 / 154 >

この作品をシェア

pagetop