双子のボディーガードは最強吸血鬼と最恐騎士!?
空を見上げると、本当に真っ黒だった。
同時にポツンと、頬に雨粒がぶつかる。
それから天候はガラッと変わり、いきなりの土砂降りに!
「わー!イオくん大変、早く家の中に入って!」
「いや、いい。俺はここで帰るから」
「帰るからって……」
イオくんは仲間の目も気にせず、私を助けてくれた。そんな彼が帰る場所って、どこにあるんだろう。騎士団の皆の元へ、帰れるのかな?
ううん。帰れたとしても、何か罰があるに決まってる。だって、イオくんは仲間を裏切ったから。
そうと分かっていて、イオくんをこのまま帰らせるなんて……私には出来ない。
「イオくん、家に帰ろう」
「うん?だから帰るんだって。この手を離して」
いつの間にか彼の腕を掴んでいた手に、力を込める。
「嫌だよ。イオくんは私を助けてくれた。だから、今度は私が助ける番。それに言ったじゃん。〝この恩はいつか絶対に返すから〟って!
だからお願い。
私と一緒に、この家に帰ろう?」
「ッ!」