双子のボディーガードは最強吸血鬼と最恐騎士!?


「それとこれとは話が違うだろ。さゆの心構えのことを言っているんだ」

「そんなこと言われても、分からないよ……」


どうして王史郎が、ここまで怒るのか分からない。

イオくんは私を助けてくれたじゃん。
現に、私は無事だったじゃん。

なら、それでいいでしょ?
何が気に食わないんだろう?

それに……嬉しかったのに。
二人が笑い合う姿を見られると思って、すごく期待したのに。


「王史郎、私……今日の晩ご飯、楽しみだったんだよ」


イオくんが家に戻ってきて、久しぶりに家族が集う――王史郎はどんな顔をして喜ぶだろうって、その瞬間を見るのが楽しみだった。

どんな顔して「何がいい?」ってメニューを聞いて、どんな顔して「やっぱ俺って天才」って自画自賛するだろうって。イオくんの前でしか見せない王史郎の顔が見られるんじゃないかって、期待してたんだよ。

それなのに――


「さゆがトンチンカンなのは、よく分かった。今後、俺のそばを離れるな。常に一緒に行動しろ」

「……か」

「ん?」

「~王史郎の、バカ!」


ガタリと席を立つ。

我慢しようと思ってたけど……もう限界!

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