双子のボディーガードは最強吸血鬼と最恐騎士!?

会って数日だし、当たり前か……。
というか、私が深入りするのがいけないのかも。

しょせんは主従関係。
友達になりたいって思うのは、高望みなんだ。


「怒ってごめん……忘れて」

「え……」


ポカンとした王史郎の前で、羽織っていたイオくんの制服をとる。

制服が、肩からひらりと落ちた時。
すごい勢いで、王史郎は私から視線を逸らした。


「バカ!なんでココで脱ぐんだよ!」

「制服が濡れてるの。ハンガーにかけておかないと、乾かないもん」

「そうだけど……あぁ、もう!かせよ。俺がかけといてやる。ったく、何で濡れるんだよ」

「……」


また、怒る。
違うよ、王史郎。
私が見たかったのは、もっと別の顔だよ。


「もし風邪でも引いたらどうする、」「――ごめん、王史郎。今日ご飯いらない」


王史郎の言葉を遮って、二階へ続く階段を目指す。視界の端で、王史郎の心配そうな顔が見えた。


「ご飯いらないって……どっか調子悪いのかよ?」

「ううん、疲れたから寝るの。じゃあ、おやすみ」

「おい、さゆ!」


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