双子のボディーガードは最強吸血鬼と最恐騎士!?
*王史郎*
*王史郎*
「さっきの〝アレ〟はないんじゃない?」
「あ?何がだよ」
横を見れば、もう風呂を出たらしいイオの姿があった。
いつ出たんだ?
さゆに気を取られて、全く気づかなかった。
「アオイシともあろう吸血鬼が、まさか背後を取られるなんてね」
「それ、肩からタオルかけた奴が言うセリフじゃねーよ。緊張感ないな」
「いいじゃん。別にやり合うつもりないんだし。ココ俺の家だし」
「……ま、その通りか」
久しぶりに、風呂上がりの恰好を見た。
いや、まず、この家にイオがいることが驚きだ。
さゆが言うには、イオは俺のことを嫌ってるんだよな?
「なんでついてきた?」
「なりゆき。っていうか仕方なく」
仕方なく、と言った時に、ハンガーにかかった自分の制服を見るイオ。あぁ、アレが乾いたら帰るつもりだったのか。
「でも今さら帰るのも変だろ。
おかえり、イオ」
「うゎ……」
ただ挨拶しただけなのに、イオから氷点下の視線が届く。しかもご丁寧に、ドン引きした声付きだ。