双子のボディーガードは最強吸血鬼と最恐騎士!?
柄にもなくバクバク鳴る心臓が、うっとうしい。
俺の目に写っているのは、ベッドに転がっているさゆ。それだけだ。それなのに……なんで緊張してるんだよ、俺。
「さゆ、置いとくから食べろよ。
あと…………ごめんな」
机上にオムライスを乗せた後、ベッド横の床に座る。高さがちょうど合うらしい。寝ているさゆの顔が、暗闇なのによく見えた。
「俺……お前とイオが楽しそうに話すのを見て、腹立ったんだよ。だって心配するだろ。お前は狙われてるんだぞ?それなのに、あんな無防備に……」
イオの制服に包まれていたさゆを思い出す。
すると不思議なことに、さらに腹立って来た。
「人の気も知らずにスヤスヤと……ん?」
さゆの口が動いた。けど、起きてるわけじゃない。どうやら寝言らしいから、耳を近づけ盗み聞きする。
「むにゃ……おーしろ」
「……ふっ、なんだよ」
さゆの頬を触る。濡れたまま寝たのか、ひどく冷たい。
俺は青い宝石を出し、部屋の真ん中に浮かせた。宝石からは、ストーブみたく高い温度がジワジワ出ている。これで冷えた体も、元に戻るだろ。