双子のボディーガードは最強吸血鬼と最恐騎士!?
「手のかかる奴だな。まったく」
「……ごめ、ん……スー」
「はは、会話してるみてぇだ」
だんだん温度を取り戻したさゆの頬を、再びなでる。
次に目がいったのは、ベッドから飛び出ているさゆの右手。おもむろにすくい、契約した薬指に口を持って行く。
「次こそ俺に守らせてくれよ、さゆ」
軽く唇をあてるとくすぐったかったのか、さゆが「ひひ」と身じろぎする。その締まりのない顔を見て……我に返った。
「ん?」
俺、いま何をした?
まさか、さゆの指にキ――!?
その時だった。
ブーっと、ポケットから重たい振動が響く。突っ込んでいたスマホを取りだし、着信画面を見た。
「ッ!」
宛名をみて、息を呑む。
ついに、この時が来たんだ。
「……とうとう、か」
静かにさゆの部屋を退出した後、深呼吸して通話ボタンを押す。
ピッ
「お久しぶりです。
さゆのお母さん――」
*王史郎*end