双子のボディーガードは最強吸血鬼と最恐騎士!?
4滴➼どんな手を使っても守る
☪︎4滴➼どんな手を使っても守る
熱のせいで体温の上昇を覚える中、夢を見た。
私と同い年くらいの男の二人と、楽しく遊んでいる夢。
まだ小学生にならない、小さな私たち。
毎日走ったり、おままごとしたり。
話して笑って、かけがえのない時間を過ごしていた。
だけど、情景が一変する。
一面の草原が、火の海に変わる。
小さな私たち三人に、大火が迫っている
そして、力なく横たわる私。
男の子二人が、私に向かって必死に叫んでいる。
だけど大火の向こう岸。
揺らぐ景色の中で、ある者を見つける。
それは――
「――……ッハ!」
パチっと目が覚める。
う……なんて寝ざめの悪い朝。
「うわぁ、体中汗まみれ。すごい悪夢だった……」
起きたというのに、生々しい臨場感が消えない。
今この場すらも、燃えているような錯覚を覚える。
「あれは、一体……」
胸のつっかえが取れない。
さっきの夢を……
夢で終わらせては、いけない気がする。